HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 03 Sep 2009 21:18:02 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:どんな世界でもマニアがいるものだ。不二家の店舗から「ペコち…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年9月3日

 どんな世界でもマニアがいるものだ。不二家の店舗から「ペコちゃん人形」を盗んだ男が逮捕された。身長一メートル、体重十キロのペコちゃんを抱きかかえて店内から持ち出した容疑だ▼関西では、ペコちゃんの盗難が相次ぎ、あるリサイクルショップでは堂々と販売されていたという。二十万〜十五万円の高値で売れるというのだからマニアの心理は興味深い▼不二家といえば、消費期限切れの牛乳をシュークリーム製造に使用した問題が二〇〇七年一月に発覚、食品偽装問題のさきがけになった▼パロマ製ガス湯沸かし器の一酸化炭素中毒事故が社会問題化、食品の産地や製造日などの偽装表示や中国製冷凍ギョーザの中毒事件が相次ぎ、消費者行政を一元的に担う消費者庁の発足につながった▼環境庁以来、三十八年ぶりに誕生した消費者庁の初代長官は元内閣府事務次官だった。政権交代前の駆け込み発足だとして、民主党は人事に異論を唱えており、「脱・官僚政治」の観点から長官のすげ替えを検討している▼環境庁の「初代長官」大石武一元衆院議員は、公害や自然保護問題の解決に尽力、「正義の味方、月光仮面」と親しまれた。消費者庁には担当閣僚がいるが、初代長官は「顔」になる人物であり、消費者問題に詳しい民間人の就任が期待されていた。元次官では、高級官僚の新たな天下り先にしか見えない。

 

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