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社説2 北朝鮮・イランの核協力防げ(9/3)

 北朝鮮の武器を積んでイランに向かっていたバハマ船籍の貨物船をアラブ首長国連邦(UAE)当局が拿捕(だほ)し、武器を押収していたことが8月末に明らかになった。

 北朝鮮による2度目の核実験強行に対し国連安全保障理事会は6月、武器禁輸や貨物検査、金融制裁の強化などを盛り込んだ制裁決議を採択した。同決議に基づく貨物検査や武器類の押収は今回が初めて。北朝鮮包囲網が機能しつつあることを示したともいえるが、北朝鮮が制裁決議後も平然と武器輸出を続けていた現実は、深刻に受け止めるべきだ。

 UAEが押収した武器にはロケット発射用装置などが含まれていたという。北朝鮮とイランが軍事協力を進めているとの見方は根強く、北朝鮮の核実験やミサイル発射にイラン視察団が立ち会ったとの情報もあった。北朝鮮にはシリアやミャンマーとの核技術協力の疑惑もある。

 北朝鮮の核は世界の安全を揺るがす。イランも安保理決議を無視してウラン濃縮を続けてきた。イラン側は民生用と主張するが、核兵器開発への国際的な懸念は大きい。核不拡散の土台を揺るがす両国の核開発は断固阻止しなければならない。

 北朝鮮はクリントン元米大統領訪朝を機に、強硬姿勢一辺倒の路線を修正しつつあるようにもみえる。だが、油断は禁物だ。韓国の玄仁沢統一相が指摘するように、北朝鮮の核開発の姿勢に変化はなく、外交戦術を変えたにすぎないからだ。制裁措置で外貨獲得が難しくなり、経済支援の獲得を狙っているのだろう。

 イランも安保理常任理事国5カ国およびドイツとの核開発問題をめぐる協議再開へ向け、新提案をまとめたという。だが、追加制裁措置の回避を狙ったとみられる新提案の具体的な内容は明らかではない。

 安保理決議に基づく制裁措置の厳格な履行で北朝鮮とイランの核開発を封じ、両国の核協力を断ち切ることが、まず重要だ。

 民主党政権の発足を機に、北朝鮮が日本に揺さぶりをかけてくることも予想されるが、安易な妥協を考えるべきではない。衆院解散に伴い廃案となった北朝鮮貨物検査特別措置法案を早期に成立させ、日本も徹底監視の一翼を担うべきだ。

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