HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57437 Content-Type: text/html ETag: "add3e-15f0-d21ad2c0" Expires: Tue, 01 Sep 2009 22:21:06 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 01 Sep 2009 22:21:06 GMT Connection: close 自民党再出発 後継総裁選びを急ぐべきだ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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自民党再出発 後継総裁選びを急ぐべきだ(9月2日付・読売社説)

 自民党は、衆院選大敗の責任を取って辞任表明した麻生首相の後継総裁選びに入った。

 政権交代可能な2大政党政治の一翼を担っていけるか。鳩山政権に対し、しっかりチェック機能を果たせるか。野党に転落しても、自民党に課せられた責任は重大だ。

 党再建にあたっては、その先頭に立つ後継総裁の選出を急ぐ必要がある。

 ところが、自民党は、今月中旬の特別国会での首相指名選挙の後に総裁選を先送りするという。地方組織や一般党員の声を反映させるためとしているが、これでは首相指名選挙で、現総裁の麻生首相に投票することになる。

 一時しのぎとは言え、有権者に「ノー」を突きつけられて退陣する党首を首相に推挙するというのは、余りにお粗末ではないか。

 党内でも、総裁選先送りに反発して、「『麻生』と書くぐらいなら白紙投票」と主張する議員が少なくない。混乱すれば党分裂の危機につながりかねない。状況を深刻に受け止めるべきだ。

 地方党員、組織の声に耳を傾けるのは重要だ。しかし、地方の意見を後継総裁選びに反映させるのに、1か月近くかける余裕が、今の自民党にあるのだろうか。

 過去の例をみても、宮沢首相から河野総裁、安倍首相から福田首相と、10日前後で後継を選出している。1日も早く麻生首相に代わる旗頭を立て、鳩山政権に立ち向かう体制を整える時だ。

 無論、その際は、地方の意向を十分に反映させるのは当然だ。

 自民党は今、結党以来最大の危機にある。肝心なのは、党再建の意志とビジョンを明確に示すリーダーが現れるかどうかだ。派閥の動向を様子見するようでは、リーダーの資格はない。

 再出発には、惨敗の原因を徹底して洗い出すことが必須だ。

 党の理念や政策の方向性は基本的に間違ってはいないが、小泉政権時代の市場原理主義や行き過ぎた構造改革が、格差の拡大や地方の疲弊を招いた。「小泉劇場型政治」の総括も必要だろう。

 個人後援会を政党支部に衣替えしただけで、いまだに組織政党の体をなしていない、という指摘もある。公明党・創価学会に頼った選挙運動も、本来の支持基盤の足腰を弱めた。

 自民党が、政権奪還に向かって力強く再起できるかどうか、国民は注視している。いつまでも茫然(ぼうぜん)自失しているようでは、これまでの「政権党」の看板が泣く。

2009年9月2日01時41分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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