HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Tue, 01 Sep 2009 22:17:57 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:大勝の民主 期待に堪える党運営を:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

大勝の民主 期待に堪える党運営を

2009年9月1日

 衆院選を圧勝した民主党が新政権樹立へ始動した。三百超もの議席を与えた民意に応えるには、まずは党内の態勢固めが肝要だ。人事に注目したい。くれぐれも「二重権力」批判が起きないように。

 勝利の余韻を味わう間もなく、民主党の鳩山由紀夫代表は幹部と政権移行の段取りを協議した。社民党の福島瑞穂党首、国民新党の亀井静香新代表にも電話し、連立政権に向けて意見交換した。

 大敗にうちひしがれる麻生政権を横目に、新政権の骨格づくりへ早速鳩山氏が動きだしている。

 国土交通省などがまとめた来年度予算案の概算要求は、新政権下では見直し必至。だから、さほど注目が集まらない。政権交代の現実を実感させる一コマである。

 民主は社民、国民新との連立合意を経て、中旬の特別国会での首相指名、新閣僚決定という日程を想定する。目指す「脱・霞が関」の予算編成へ土台をつくる第一歩だ。鳩山氏の采配(さいはい)が問われる。

 気を付けなければならないのは党幹部や閣僚ポストをめぐる争奪戦だ。歴代の自民政権下では往々にして派閥の力を背景に、所属議員が“猟官”にうごめき、そんなさまは国民をうんざりさせた。

 かつての派閥ほどの拘束力はないものの民主には実力者ごとにグループが複数存在する。閣僚就任を口にする気の早い議員もいるという。政権党になるや、自民と同じことが起きれば、世間の冷ややかな視線が突き刺さるだろう。

 衆院選を指揮した小沢一郎氏のもとに親小沢の新人当選組が多くいる。まとまれば他を圧倒し小沢氏が党運営を実質支配しかねないとの懸念が取りざたされている。

 一九九三年発足の非自民・細川政権を短命に終わらせた一因は、小沢氏が陰で牛耳る「二重権力」にあった、ともされる。鳩山、小沢両氏は二重権力にはならないというが、新体制の顔ぶれは一つの答えになるかもしれない。

 衆院選で共産、社民両党は自・民決戦に埋没しながらも、公示前勢力は維持した。みんなの党は五議席と増え、比例選で多くの票を集めた。大政党だけでは、すくいきれない多様な民意を忘れてはいけない。

 三百八議席について、鳩山氏は「数のおごりを捨て去らなければならない」と語った。有言実行を求めたい。

 少数意見に耳を傾けるようでないと、巨大党の暴走を心配する国民を納得させられない。

 

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