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8月31日付 編集手帳

 〈赤い糸 夫居ぬ間にそっと切る〉という川柳がある。“万年政権党”と結ばれていた「赤い糸」の(きずな)を有権者がそっと切ったのはいつだろう。衆院選の開票結果は長く連れ添った夫婦の熟年離婚を思わせる◆麻生政権の発足当時、自民党の支持率は民主党より高かった。見限られたのはそれ以降、政権交代の立役者はやはり麻生さんになる。歴史のページは偉人がめくるとは限らない◆不手際つづきで不人気は隠れもないその人を、天下分け目の一戦にかつがざるを得なかった自民党――人材の枯渇ぶりに、「もはやこれまで」とサジを投げた有権者は多かろう◆相手の自壊作用にも助けられて歴史的な勝利を手にした民主党だが、政策の財源や外交の進路をめぐる人々の不安は、いまに至るも解消できていない。「きっと何かが変わるはず」という漠然たる希望に、不安がひとまず席を譲っただけである◆亀井勝一郎の「青春論」にいわく、〈人はしばしば、結婚してから失恋するものである〉。新しい伴侶の座を射止めた鳩山民主党ものぼせてはいられない。希望が失望に変わるとき、「赤い糸」ははかないものである。

2009年8月31日04時53分  読売新聞)
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