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独裁国家でもないのに、ほぼ一貫して一党が政権の座にある日本は特別だ。それでうまくいった面もあれば、行き詰まった点もある。一切合切に審判が下る。一票にかける8月の言葉から▼7月の失業率は過去最悪に。さいたま市で職業訓練を受ける石川均さん(39)は今春、自動車業界で「派遣切り」に遭った。訓練が終わる年末の状況を案じつつ、期日前投票に期待を込めた。「停滞していた空気が動き出すかもしれない」▼住民の過半が高齢者の都営団地に暮らす宮嵜(みやざき)安代さん(68)。「戦後ずっとたまってきた澱(おり)のようなものをなくしてみたい。ご破算で願いましては、もいいのかな」▼今回から小選挙区にも広がった在外投票。8カ国の仲間と裁判で国を動かした在ロサンゼルスの高瀬隼彦さん(79)は「天下分け目の選挙に投票できる」。上海の能多まり子さん(55)は「政権交代がかかった選挙で期待がある。働きながら子育てできる社会に」と一票▼「国民は真に何を望んでいるのか。それは、働く意思を持つ者と家族が一定の水準で平穏に暮らせることに他ならない」。奈良県五條市の主婦三木栄子さん(61)は声欄で訴えた。「大金は得られずとも仕事に誇りを持ち、やり抜くことで安定した生活が営める国であってほしい」▼「最大の夏政(まつ)りで日本という神輿(みこし)を担ごう」。大阪の繁華街で若者に投票を呼びかけた関西学院大生の市橋拓さん(21)。「年金も介護も実はヤバいんじゃないか。僕らが選挙に行って責任を持とうと思った」▼きょうを、顧みて誇れる日にしたい。