HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 56263 Content-Type: text/html ETag: "fe340-1157-5b8df4c0" Expires: Sat, 29 Aug 2009 03:21:16 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 29 Aug 2009 03:21:16 GMT Connection: close 8月28日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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8月28日付 よみうり寸評

 〈半島へ、ふたたび〉――このタイトルで著者が蓮池薫さんと知れば、読まずにはいられなかった◆北朝鮮に24年も拉致されていた蓮池さんは昨年初めて韓国へ旅した。わずか8日のソウル旅行だが、さまざまな思いがあふれんばかりなのだろう100回あまりのブログに書きつづった◆それをまとめて6月に刊行された〈半島へ…〉が、きのう第8回新潮ドキュメント賞を受賞した。拉致被害者ならではの鋭い観察が随所にみられる。ソウルでは「すべてが興味深く、そのうちの多くが24年間住んだ北を連想させた」◆おのずと南北比較論が展開されている。「機内から見た韓国の赤い大地は、拉致され、絶望のなか途方にくれて眺めた北朝鮮の山野の色を(よみがえ)らせた」◆「北での食うための闘争の一幕、恐怖を感じつつ受けた反日教育……記憶の中の北朝鮮は消し去ることができない」。この紀行に加え第2部「あの国の言葉を武器に生きていく」も読ませる◆受賞おめでとう。もっともっと北の体験を読ませてもらいたい。

2009年8月28日13時45分  読売新聞)
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