HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57345 Content-Type: text/html ETag: "feee5-164d-f8ca6e40" Expires: Thu, 27 Aug 2009 03:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 27 Aug 2009 03:21:09 GMT Connection: close FRB議長再任 市場安定を狙った早期決着 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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FRB議長再任 市場安定を狙った早期決着(8月27日付・読売社説)

 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の再任が決まった。来年1月の任期切れの5か月も前に、オバマ米大統領が発表した。

 市場に安心感を与える早期決着といえよう。

 上院の承認後、正式な再任となる。2期目の任期は、2014年1月までの4年間だ。

 大統領は、「大胆な行動で米国経済の急降下を食い止めた」と述べた。金融危機に迅速に対応した議長の手腕を評価し、引き続き、金融政策の(かじ)取りを任せることが得策と判断したようだ。

 議長への市場の信認は厚く、再任を支持する声が多かった。大統領の決定は妥当だろう。

 バーナンキ議長は、18年間も議長を務めたグリーンスパン氏の後任として、ブッシュ前大統領に指名され、06年2月に就任した。

 当初は、米国の住宅バブルの影響を見逃し、金融危機を招いたと批判されたこともある。

 しかし、昨年9月の「リーマン・ショック」以降、事実上のゼロ金利政策や量的緩和策など、異例の政策を次々と実施してきた。

 大型の景気対策を打ち出した政府と協調し、日欧の金融当局との連携も効果的で、危機はようやく最悪期を脱しつつある。米国景気は底打ちをうかがい、株式市場も落ち着きを取り戻した。

 金融危機の克服に道筋をつけたFRBの役割は大きかった。

 だが、2期目に入るバーナンキ議長の課題は多い。今後も難しい舵取りを迫られるのは確実だ。

 米国では、失業率が高止まりして雇用情勢が悪化し、個人消費は冷え込んだままだ。景気が年内に底入れしても、本格的な景気回復は遅れることが懸念される。金融機関が抱える不良資産問題も、完全には払拭(ふっしょく)されていない。

 FRBは金融面からのテコ入れの手綱を緩めず、超金融緩和策を継続していく姿勢が大事だ。

 FRBは、危機対応の政策を平時に戻す「出口戦略」を模索し始めた。しかし、ゼロ金利政策の解除などはかなり先だろう。慎重に戦略を練ることが求められる。

 金融危機の再発防止策については、米国政府が、金融機関の監督権限をFRBに一元化する規制強化案をまとめた。

 行き過ぎた米国流の金融資本主義にどう歯止めをかけるか。FRBは、米国だけでなく、世界経済の安定を視野に、日欧当局などとの政策協調を一段と強化することが必要だ。それが、大国・アメリカの中央銀行の責務だろう。

2009年8月27日01時30分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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