HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57473 Content-Type: text/html ETag: "21f61b-15ab-f8ca6e40" Expires: Wed, 26 Aug 2009 21:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 26 Aug 2009 21:21:05 GMT Connection: close 放送・通信融合 新たなルール整備が必要だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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放送・通信融合 新たなルール整備が必要だ(8月27日付・読売社説)

 技術革新によって、従来の放送・通信に対する規制の枠に収まらないサービスが登場している。新たな芽を成長戦略につなげるには、ルールの見直しが必要だろう。

 総務省の情報通信審議会が、放送と通信の規制を抜本的に改める答申をまとめた。

 通信か放送か、無線か有線か、といった業態別の区分を見直し、番組制作や電波送信といった機能別に組み直す内容である。

 情報通信関連の法律は主なものだけで九つもあり、実態にそぐわない規制も多い。今回、放送と通信の融合をにらみ、垣根を取り払う意義は大きい。

 新たな規制の枠組みでは、通信と放送の区分はなくなり、〈1〉視聴者に提供する「番組の内容」〈2〉通信網や送信所などの「伝送設備」〈3〉視聴者に情報を届けるための「伝送サービス」――の3分野にくくり直される。

 放送用、通信用に分かれている電波の規制も緩和され、放送局が携帯電話に番組を配信したり、携帯電話のアンテナを使って放送したりできるようになる。

 規制が機能別になることで、放送局は番組制作と送信業務を別会社で実施しやすくなる。複数の地方局が送信設備を共用すれば経営の効率化に役立とう。他社の設備を借りる形での異業種からの放送事業への参入も可能になる。

 放送・通信の活性化は、サービスの多様化や通信料の値下げにつながる。業界は利用者の利便向上を最優先に、新サービスの創出に努めてほしい。

 新たな規制の枠組みに対しては、国が番組内容に口出ししやすくなり、放送局の自立性が脅かされるとの指摘もある。

 答申は、インターネット上の情報には新たな規制は設けず、放送番組の編集の自由は法律に明記するとしている。今後の法案化作業で、表現の自由に対する十分な配慮は不可欠だろう。

 民主党は衆院選に向けた政策集で、放送への国の介入を排除するため、放送・通信行政を総務省から分離させるとしている。

 米国の連邦通信委員会(FCC)をモデルにした独立行政委員会を新設し、権限を移管する案だ。規制の見直しと同時に、行政組織のあり方についても再検討するということだろう。

 しかし、米国型の移植だけで放送・通信行政は円滑に進むまい。総務省や経済産業省、IT(情報技術)担当大臣が並立する今の行政の見直しが先決ではないか。

2009年8月27日01時30分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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