HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Tue, 25 Aug 2009 21:18:37 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:南北対話 『核放棄』進展が前提だ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

南北対話 『核放棄』進展が前提だ

2009年8月25日

 北朝鮮が韓国に対話を呼び掛けた。李明博政権になってから初めてだ。近く南北対話が再開されるとみられる。懸案になっている北朝鮮の「核放棄」が進展するよう、十分な議論を求めたい。

 金大中元大統領の死去に伴い北朝鮮の弔問団が訪韓した。団長の金己男労働党書記は李大統領との会談を要請し、南北関係を良好に解決していきたいとの金正日総書記の口頭メッセージを伝えた。

 昨年二月の就任以来、「核問題解決に進展がなければ本格的な支援はしない」と主張してきた李政権を、北朝鮮はののしりに近い表現で非難してきたが、にわかに「対話攻勢」に変わった。

 北朝鮮の「変化」は核実験に対する国連安保理の制裁決議の効果だろう。食糧や肥料の支援が減り、外貨獲得も困難になって、韓国への接近を図ったようだ。権力世襲に向け、国内経済を好転させたい狙いもありそうだ。

 南北対話と交流の再開は関係改善のきっかけにはなる。当面、北朝鮮金剛山への観光再開や離散家族再会の実施を目指して、協議が進むとみられる。

 だが朝鮮半島の最大の懸案は北朝鮮の核、ミサイル開発である。核問題を棚上げした南北対話では、この地域の不安定要因を温存することになる。

 韓国が経済支援を拡大すれば、安保理の制裁にほころびが生じる。李政権は「核問題の進展を支援の条件とする」原則を崩さず、対話に臨んでほしい。

 北朝鮮は米国にも秋波を送っている。金総書記はクリントン元大統領を招いて米朝関係改善の意思を伝えた。「核問題は米国とだけ交渉する」「六カ国協議は制裁の場であり、無効である」というのが北朝鮮の主張だ。

 だが北朝鮮の核問題は北東アジアの安全保障に直結するだけに、関係国が参加した六カ国協議で話し合われるべきだ。オバマ政権も「米朝対話は六カ国協議の枠内でなら可能だ」という見解だ。議長国・中国の外務次官は先ごろ訪朝し協議復帰を呼び掛けた。

 韓国には南北対話に臨む場合、米国、中国、日本とも緊密に連携することを要望する。

 既に四年前の六カ国協議で、北朝鮮は「すべての核兵器および核計画を放棄する」(共同宣言)と約束している。本当に対話を求めるつもりなら、まずは国際的な約束を偽りなく実行する姿勢を示し、不信感を晴らすべきだ。

 

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