HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Tue, 18 Aug 2009 23:18:18 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:セミの鳴き声にツクツクボウシが混じるようになってきた。独創…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年8月19日

 セミの鳴き声にツクツクボウシが混じるようになってきた。独創的なその鳴き声は、夏の終わりを象徴するといわれる。立秋を過ぎてから、澄んだ青空に秋の気配を感じる日も増えた▼そんな季節の移ろいを実感する余裕を、公示日を迎えた衆院選の候補者は持ち合わせていないだろう。なにしろ日本の針路を大きく左右する大一番なのだ▼四年前の「小泉劇場」は無名の候補者を何人も当選させたが、今回出馬を断念した前議員には小泉チルドレンの姿もある。自民党の比例代表南関東ブロック三十五位で当選した当時二十六歳の杉村太蔵さんもその一人だ▼当選直後に電話で取材すると、「夢にも当選するとは思ってませんでした」と驚いていたことを思い出す。「料亭に行きたい」など奔放な発言でワイドショーにも取り上げられたが、選挙区への国替えの希望がかなわず、居場所を失ってしまった▼前回、比例東京ブロック一位だった猪口邦子さんも比例名簿の登載を辞退せざるを得なかった。「用済み」になれば使い捨てになる非情さを痛感したのではないか▼国連の軍縮大使だった猪口さんは、小銃や携帯ミサイルなど小型武器の拡散防止を目指す最終報告を議長として全会一致で採択した経験がある。その分野でもう一度、活動してみてほしい。自民党の「客寄せパンダ」より本来の力を発揮できるはずだ。

 

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