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8月14日付 よみうり寸評

 戦争で中止されていた全国中等学校優勝野球大会が戦後初めて復活、開会式が行われたのは、1946年(昭和21年)8月15日だった◆敗戦からちょうど1年後、今から63年前のあす15日、ところは阪急西宮球場。いうまでもなく大会は、今たけなわの〈夏の甲子園〉の前身だが、戦前から親しまれてきた球児の聖地・甲子園は当時、まだ進駐軍に接収されていて、開催できなかった◆新刊の〈「甲子園の土」ものがたり〉(三浦馨著・明治書院)で、今は遠くなった戦後初の大会の青春譜を読んだ◆この大会でベスト4まで進んだ東京高等師範付属中のナインが物語の軸。準決勝で大会の優勝校・浪華商業に敗れたとき、高師付属中の監督がナインに言った◆「さあ、5年生(最上級生)はいいから、他は自分のポジションへ行って土を取ってこい。来年、またここへ返しに来よう」。土は手ぬぐいに包んで持ち帰った◆甲子園ならぬ西宮の土ではあったが、これが今に残る球場の土持ち帰りの風習の起こりであるようだ。

2009年8月14日13時56分  読売新聞)
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