HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57243 Content-Type: text/html ETag: "ff02c-15f5-dff2a00" Expires: Wed, 12 Aug 2009 20:21:06 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 12 Aug 2009 20:21:06 GMT Connection: close 党首討論 財源と安保の議論を深めよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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党首討論 財源と安保の議論を深めよ(8月13日付・読売社説)

 有権者が政権を託す先を選択する際の指標とすべきは、やはり政策だ。自民、民主2大政党の党首が直接対峙(たいじ)して論戦を交わしたことで、選挙戦の論点もかなり明確になってきたのではないか。

 麻生首相と鳩山民主党代表の党首討論が、民間有識者で作る「新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)」の主催で行われた。

 最も白熱したのは、財源に関する議論だった。

 首相は、民主党が政権公約に掲げる「子ども手当」などの財源が明確でないとして、「財源なきバラマキ」と批判した。

 鳩山代表は、不要不急な事業の中止などで捻出(ねんしゅつ)できると強調した。しかし、首相が指摘した通り、社会保障費は毎年約1兆円のペースで増え続ける。歳出削減だけで財源を確保できるのかどうか。

 一方、鳩山代表も、自民党が「可処分所得を10年で100万円増やす」としていることについて、「(衆院任期の)4年間で何をやるか言ってほしい」と批判した。

 首相は、実現に向けた具体的な道筋を示す必要がある。

 消費税に関する論議は、首相も鳩山代表も、政権公約の表現より踏み込んだ。

 首相は、国内総生産(GDP)の2%成長を前提に、消費税率引き上げを含む税制抜本改革に取り組むことを明言した。鳩山代表も「消費税をいつまでも上げないで済む日本でないことは十分認識している」と述べた。

 政権公約を現実的なものとするためにも、財源の裏付けは重要だ。さらに議論を詰めるべきだ。

 安全保障政策では、首相が、インド洋での海上自衛隊の給油活動について、鳩山代表の発言が揺れている点を批判した。

 鳩山代表は、来年1月の新テロ対策特別措置法の期限切れ後は活動を延長しない考えを改めて表明し、代替策としてアフガニスタンへの民生支援の充実を挙げた。

 だが民生支援は、警察改革、多数の学校建設など幅広い分野で既に実施している。単に給油活動から撤収するだけにならないか。

 ただ、鳩山代表は「外交や安全保障は、政権を取ったらすべてを変えるという発想は持たない。継続性が重要だ」とも述べた。そうであってほしい。

 両党首の一対一の討論は今回限りとなりそうだが、各党党首の公開討論会など様々な機会をとらえて、議論を深めてもらいたい。

2009年8月13日01時09分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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