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8月8日付 よみうり寸評

 「人を裁くことに恐れを感じます」――。女性で初めて最高裁判事を務めた高橋久子さんは、1994年の就任時にそう語った◆その「恐れ」を抱いた人もいただろう。東京地裁で開かれた殺人事件の裁判員裁判。契約社員、ピアノ教師、栄養士など、裁判とは無縁であっただろう人たちが、刑事裁判の転換点の当事者となった◆「4日間長かった。ほっとした」「仕事とは違う疲れ方をした」。判決後の裁判員の言葉には、重い責務を果たした安堵(あんど)感がにじみ出ていた◆「家族の顔を見て、幸せな思いがした」。43歳の男性裁判員には判決の前夜、そんな感情がわき上がったという。事件の実相に触れ、平穏な暮らしのありがたさを実感したからなのか◆「ことさら法律を勉強しようなんて思わないように。それは他の判事に任せて、あなたにしか言えない意見を言えばいい」。旧労働省出身の高橋さんを、最高裁の大先輩はこう激励したそうだ◆裁判員に選ばれた時に備え、我々もこのアドバイスをそっくりもらっておこう。

2009年8月8日13時58分  読売新聞)
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