
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57995 Content-Type: text/html ETag: "104bbf-15bb-6edb5980" Expires: Thu, 06 Aug 2009 21:21:06 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 06 Aug 2009 21:21:06 GMT Connection: close
![]() 裁判員判決 検証の積み重ねが欠かせない(8月7日付・読売社説)裁判員が関与した初の裁判が終了した。今後も全国で裁判が相次ぐ。法曹関係者は今回も含め、問題点を洗い出して検証し、裁判員制度を改善していくことが肝要である。 審理されたのは、東京で5月に起きた路上殺人事件だった。66歳の女性をサバイバルナイフで刺殺したとして、近所の72歳の男が殺人罪に問われた。 東京地裁の法廷は様変わりした。法服姿の3人の裁判官の両脇に私服の裁判員6人が並んだ。 検察官と弁護人はモニターに画像を映し、難解な専門用語を平易な言葉に言い換えた。 検察官が被害者の「防御創」について、「刃物で刺されそうになった時、とっさに手で受け止めようとしてできる傷のこと」と説明したのは、その典型だ。裁判の内容が一般にも分かりやすくなったのは、歓迎すべきことである。 被告は犯行を認めていたため、裁判の争点は量刑に絞られていた。どれだけ強い殺意を持って被害者を刺したかが、量刑を決めるポイントだった。 裁判員は、「言い争いになった時、なぜナイフを持っていこうと思ったのか」などと被告に問いかけた。殺意の度合いを見極めようという姿勢がうかがえた。 懲役16年の求刑に対し、判決は懲役15年だった。「死亡させると分かりながら、強い攻撃意思を持って刺した」と認定した。検察側の主張に沿った判断である。 4日間の公判では、遺体の写真をモニターで見た女性裁判員が、目をそらす場面があった。別の女性裁判員は風邪で体調を崩し、男性の補充裁判員に交代した。 連日の公判が、裁判員にとって大きな負担であったことは間違いあるまい。死刑か無期懲役かの判断などを迫られる裁判では、負担は、さらに増すだろう。 最高裁は、既に設置した電話相談窓口を円滑に機能させるなど、裁判員の心のケア対策に万全を期していく必要がある。 裁判員の選考方法も検討課題といえよう。今回、地裁が無作為で選んだ裁判員は、女性5人、男性1人だったが、性犯罪などの裁判で、男女の比率や年齢構成が偏ると、判決内容に微妙な影響が及ぶことはないだろうか。 判決後、裁判員全員が会見に応じ、「人を裁くという重大なことを担わされている思いをひしひしと感じた」などと語った。いつ自分が選ばれるか分からないだけに、裁判員の生の声は、大いに参考になるはずだ。 (2009年8月7日01時15分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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