HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 58087 Content-Type: text/html ETag: "21ac40-160e-f29fd480" Expires: Wed, 05 Aug 2009 01:21:06 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 05 Aug 2009 01:21:06 GMT Connection: close 防衛有識者会議 大胆な提言を新大綱に生かせ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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防衛有識者会議 大胆な提言を新大綱に生かせ(8月5日付・読売社説)

 防衛力整備の指針である「防衛計画の大綱」の改定を検討してきた有識者会議が、報告書を麻生首相に提出した。大胆かつ重要な提言が多数含まれている。

 国際的な安全保障環境が変化する中、日本の平和と安全を確保し続けるには、従来のタブーを排し、防衛政策や自衛隊の部隊編成・装備を見直すことが肝要だ。

 衆院選後の政権をどの政党が担うにせよ、年末に策定する予定の新防衛大綱に、この提言を極力反映させるよう努めるべきだ。

 報告書は、「自由で開かれた国際システム」を牽引(けんいん)してきた米国の力が相対的に低下したとの現状認識を示した。そのため、日本や欧州諸国が共同で米国を補完し、国際的な安全保障問題の解決を目指す必要性を主張する。

 具体的には、自衛隊が国際平和協力活動に、より積極的に参加するよう、国連平和維持活動(PKO)の参加5原則の見直しやPKO協力法の改正を提唱した。

 国際テロや海賊の脅威に象徴されるように、日本の安全は世界の平和と連動している。日本は国際社会による平和構築活動の一翼を担う責任がある。だが、日本の6月末のPKO参加人数は39人で、世界82位にすぎない。

 自衛隊の参加を増やすには、PKOの実態に即して、柔軟に部隊を派遣する体制を整えることが大切だ。武器使用権限の拡大と、自衛隊の海外派遣に関する恒久法の整備にも取り組む必要がある。

 報告書は、集団的自衛権について、米国に向かう弾道ミサイルの迎撃や、ミサイルを警戒する米軍艦船の防護を可能にするよう、政府の憲法解釈の変更を求めた。

 4月の北朝鮮のミサイル発射時に自衛隊と米軍は共同対処した。日米同盟の信頼性を高めるには政府解釈の変更を急ぐべきだ。

 報告書は、敵基地攻撃能力の保有についても、日米共同対処を前提に、日本として適切な装備体系や運用方法、費用対効果を検討する必要性を強調している。

 米国の攻撃力を補完する形で、どんな役割分担が可能かを冷静に議論する意味は大きい。

 武器輸出3原則について、報告書は、日本が装備品の国際的な共同開発・生産に参加できない問題を指摘し、3原則の例外化を求めた。テロ・海賊対策支援目的の輸出の解禁も提唱した。

 日本が最新の軍事技術から取り残される事態は避けるべきだし、国際平和に寄与する武器輸出は容認するのが当然だろう。

2009年8月5日02時09分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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