HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 31 Jul 2009 22:18:41 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:<泣くほど留めても帰れば喜ぶ>。わが国の諺(ことわざ)らし…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年7月31日

 <泣くほど留めても帰れば喜ぶ>。わが国の諺(ことわざ)らしいが、何のことを言っているのか、少し分かりにくい。あるいは、スペイン製がヒントになろうか。<客の後ろ姿は美しい>▼訪問客はうれしいものだ。しかし、いつまでもいられると、それはそれで持て余す。辞去すると言われれば「もっとゆっくりして」などと言うには言うが…。日本列島付近に停滞を続けてきた梅雨前線に、ダブらないでもない▼春と夏の間に、えもいわれぬ日本的風情をつくりだす大切な“季節の訪問客”だ。無論、梅雨には、来てもらわないと困る。が、今年はあまりに長っ尻(ちり)すぎる。きょうはもう文月尽(ふづきじん)というのに、九州北部から東海地方ではまだ梅雨が明けない▼晴れの時期があっても長続きしない。既に明けている関東地方にしても、カラッとした「夏らしさ」には遠い。少し前には、九州や中国地方で豪雨被害が相次ぎ、関東では竜巻まで発生した。この気候不順で農作物被害や、レジャー関係への悪影響も出ていると聞く▼「太平洋高気圧」に奮起を促すべきか。「南から流れ込む暖かく湿った空気」に自制を求めるべきか。いずれにせよ、梅雨には、そろそろ腰を上げて、<美しい後ろ姿>を見せてもらわなければ困る▼アラブ世界にならって、こんな祈りをつぶやくか。<訪問を早く切り上げる人に、神のお恵みがありますように>

 

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