HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57786 Content-Type: text/html ETag: "21aba8-15b9-82bfbc80" Expires: Wed, 29 Jul 2009 22:21:08 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 29 Jul 2009 22:21:08 GMT Connection: close 米中戦略対話 どう進む新しい時代の「G2」 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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米中戦略対話 どう進む新しい時代の「G2」(7月30日付・読売社説)

 米中の閣僚級による初めての戦略・経済対話がワシントンで開かれ、共同文書が発表された。

 ブッシュ前政権時代に始まった経済対話を、外交・安保なども協議する場に格上げし、定例化する。

 オバマ米大統領が「米中が21世紀を作る」と述べた意味は重い。

 2大主要国「G2」と呼ばれ始めた米中が、世界経済だけでなく、国際社会の平和と安定に重要な役割を果たしていく決意を表明したものだ。

 米国は、経済力をつけた中国を重視し、責任を共有させることを狙っている。中国も、米国債の最大の保有国になったことを背景に、米国への影響力を行使しようというのだろう。

 経済的に相互依存関係を強める米中が協調しなければ、解決できない課題が多いのも事実だ。しかし、外交・軍事面で、両国は依然、緊張の火種を抱えている。協調と対立の中で、今後の米中関係がどう進むのか注目される。

 共同文書はまず、経済分野で、中国に対する米国の赤字が膨らむ貿易不均衡を是正し、着実な成長を図るための協調をうたった。

 米国は過剰消費の見直し、中国が消費拡大による内需拡大策を課題に掲げたのは、両国の抱える問題に照らせば当然のことだ。

 米国の財政赤字削減も盛り込まれた。中国が財政健全化とドルの安定を求めたためだ。米国が財政赤字を削減することは、金融危機克服を目指す日本など世界経済にも寄与する。

 地球温暖化問題では、温室効果ガスの2大排出国である両国が対話の枠組み創設で合意した。両国が真剣に取り組まねば、温室効果ガスの削減は実現できない。

 中断している北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議については、再開の重要性を確認し、非核化に向けた努力の継続で一致した。

 核実験を強行した北朝鮮に対する国連制裁決議については、「履行の有効性」を強調した。米側は改めて中国側に制裁の実行を促したものと見られる。

 反テロへの取り組みや核軍縮に向けた連携強化も協議した。人権問題も取り上げられたが、共同文書はウイグル暴動など少数民族問題に言及せず、「台湾問題」も触れなかった。

 金融危機や地球温暖化、北朝鮮問題などは、日本の国益に直結する重要課題だ。日本は米国と緊密に連携するとともに、中国にも責任ある役割を果たすよう、引き続き求めていく必要がある。

2009年7月30日01時16分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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