HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57543 Content-Type: text/html ETag: "104148-1604-1b0f4c40" Expires: Sun, 26 Jul 2009 01:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 26 Jul 2009 01:21:09 GMT Connection: close 地デジ完全移行 アンテナ改修の遅れで黄信号 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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地デジ完全移行 アンテナ改修の遅れで黄信号(7月26日付・読売社説)

 放送のデジタル化という国の大事業が、正念場にさしかかっている。

 テレビ電波をアナログから完全にデジタルに移行させる2011年7月24日まで、あと2年を切った。だが、一般の視聴者側の対応は遅れ、予定通りの移行に黄信号が(とも)っている。

 デジタル化は放送が高画質になるだけでなく、限られた電波の効率的な利用にもつながる重要な政策だ。国や関係業界、自治体は連携し、対策を強化すべきだ。

 地デジに対応したテレビは、日本の6割以上の世帯に普及した。エコポイント制度の後押しもあって、このところ、出荷台数も前年より3割近く増えている。

 だが、テレビを買い替えるだけでは地デジ放送は見られない。自宅のアンテナで受信する場合、改修には工事費込みで2〜5万円かかる。この方法でテレビを見ている2000万世帯のうち、400万世帯で工事が必要である。

 さらに大きな問題は、複数世帯が使う共同アンテナの改修だ。

 ビルや高架線路に阻まれて電波が届きにくい地区では、住民とビルの所有者などが費用を分担してアンテナを立てている。マンションやアパート、山間部用も含めると、全国には200万本以上の共同アンテナがある。

 電波増幅器の付け替え費用も含めると、共同アンテナの改修に200万円以上かかる場合もある。だが、デジタル移行後にどのような形で受信障害が出るかわからないため、費用分担の話し合いすらできないケースが多い。

 これでは地デジ対応が進まないのも無理はない。国は受信障害対策の共同アンテナの改修に対し、世帯当たりの負担が3万5000円を超えた場合は一部を助成する制度を始めたが、まず重要なのは実態の把握だろう。

 どの地域でアンテナの改修が必要なのか。受信障害が予想される場合、原因はどこにあるのか。どうすれば費用は安く抑えられるのか。実地調査を進め、きめ細かい対応をすることが肝要だ。

 アメリカは予定より遅れたものの、6月にデジタル化を終えている。ドイツ、オランダなど欧州の主要国も移行を済ませた。

 民主党も2年後の完全移行に向け、政府・与党と同様、地デジ対策の強化を公約している。

 衆院選の結果がどうあれ、地デジ移行の流れに変わりはないということだ。政府はその意義や現状を根気よく説明し、視聴者の理解を得るよう努めてほしい。

2009年7月26日01時20分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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