
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57808 Content-Type: text/html ETag: "104d1d-1602-76097d00" Expires: Fri, 24 Jul 2009 22:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 24 Jul 2009 22:21:09 GMT Connection: close
![]() 経済財政白書 物足りない回復への処方箋(7月25日付・読売社説)今年度の経済財政白書は、「危機の克服と持続的回復への展望」をテーマに取り上げた。 景気はやっと下げ止まったものの、今なお深い谷の中にあり、さらに底割れする心配も消えていない。 厳しい経済情勢のもとでまとめられた白書には、日本経済が危機を切り抜け、成長力を取り戻すためのしっかりした処方 白書はまず、景気はかつてない「速さ」と「深さ」で落ち込んだが、経済対策や海外経済の回復のおかげで、ようやく持ち直してきたと分析した。 ただし、先行きには「雇用の悪化」「デフレへの逆戻り」「海外経済の下振れ」という三つのリスクが残っているとした。 特に雇用では、仕事の減った会社が社員を解雇せずに抱える“企業内失業”が600万人に及ぶと推計した。このため生産が急ピッチに回復しないと企業のやせ我慢が続かず、人員の大幅削減が始まるだろうと警告を発した。 白書が「こうしたリスクに注意しながら、政府は適切な経済財政運営を進めていく必要がある」と指摘したのは当を得ている。 ただ、具体的な政策運営に関する各論は、少し物足りない。 内需と外需の「双発エンジン」による回復を目指すべきだと、白書は説く。異論はないが、2002年からの7年近い景気拡大期でさえ、内需は弱かった。雇用危機の中で、内需をいかに振興すべきか論じてほしかった。 人口減少で内需は縮小する方向だ。医療や介護など高齢化社会に高まるニーズをどう内需につなげるかという論点も重要だろう。 白書は、年金など社会保障への信頼を高めれば過剰な貯蓄が減って、消費を下支えするとした。いい視点だが、肝心の財源を示さず説得力を欠いたのは残念だ。 得意の輸出も、新興国の台頭でパイの争奪が激しくなる。アジアなどの成長をうまく取り込む戦略を示してもらいたかった。 一方、格差問題では「景気回復が最大の対策」と総括しているが、あまりに素っ気ない。景気回復頼みでは、就職氷河期に若者間の所得格差が急拡大した悲劇を、繰り返しかねない。 格差拡大や社会保障の疲弊は、構造改革路線に沿った収益偏重、効率至上主義にも責任がある。 「改革なくして成長なし」の副題を5年間掲げ、改革路線を後押しした過去の経済財政白書の総括も、そろそろ必要ではないか。 (2009年7月25日01時54分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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