HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57625 Content-Type: text/html ETag: "fedba-1604-f3e6d980" Expires: Wed, 22 Jul 2009 23:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 22 Jul 2009 23:21:10 GMT Connection: close 麻生対鳩山 「首相」の資質が問われる : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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麻生対鳩山 「首相」の資質が問われる(7月23日付・読売社説)

 衆院選は、日本の(かじ)取りを担うリーダー選びに直結する。

 過半数を確保した勢力から首相が選ばれるからだ。有権者の責任はきわめて重い。

 この国の最高指導者に求められるのは、日本の針路や、あるべき国家像、それに至る道筋を有権者に明示することだ。

 自ら掲げるビジョンを実現させるには、党内を掌握する政治手腕や、官僚を自在に使いこなす力量、有権者を納得させる説明能力が不可欠である。

 時代の求めるリーダー像に照らして、麻生首相も鳩山民主党代表も、はなはだ心もとない。特に懸念されるのが、言動に首尾一貫性を欠くことだろう。

 麻生首相は、昨年9月の就任以来、定額給付金の性格付け、厚生労働省分割構想、日本郵政社長人事、自民党役員人事騒動と、節目で言動のぶれや優柔不断さを露呈した。自らの内閣支持率を押し下げ、墓穴を掘ってきた格好だ。

 一度口にしたことを後で言っていないと翻せば、国民の政治への不信感は増幅する。綸言(りんげん)汗のごとし、を忘れてもらっては困る。

 そんな状態で「安心社会」を実現させると声高に訴えても、きちんと実行してくれるのか、有権者は疑いの目で見るに違いない。

 首相の場合は、9月末に自民党総裁の任期が切れる。進退のカギを握るのは衆院選の結果だ。退陣か、再選かの厳しい選択を迫られることになる。

 一方、鳩山代表は長年、憲法改正を旗印に掲げてきた。憲法9条と政治的現実の乖離(かいり)が「健全なリアリズム」を損ねたと指摘し、集団的自衛権の行使を容認する独自の改憲案も公表している。

 だが、5月に党代表に返り咲いて以来、自らの改憲志向を封印している。党内の旧社会党系議員や、連立政権の友党と考える社民党への配慮からだろう。

 最近、非核三原則について、米軍の核搭載艦船の寄港容認を念頭に「現実的対応」に言及した。インド洋での給油活動を当面、継続する考えも示している。

 鳩山代表が信条とする「健全なリアリズム」の発露だろうが、社民党から強く批判されている。これで腰砕けになるようなら、次期首相の資格はない。

 この国の将来を、麻生首相と鳩山代表のいずれに託すか。有権者は、二人の言動に目を凝らし耳をすましている。

2009年7月23日01時34分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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