
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57626 Content-Type: text/html ETag: "104036-15b3-fba67e00" Expires: Wed, 22 Jul 2009 22:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 22 Jul 2009 22:21:05 GMT Connection: close
![]() 中国地方豪雨 危険区域に特養ホームとは(7月23日付・読売社説)天災と割り切ることのできない、あまりに痛ましい惨事だ。 21日に中国地方を豪雨が襲い、山口県防府市の特別養護老人ホーム「ライフケア高砂」を土石流が直撃した。高齢者7人が死亡・行方不明となっている。 なぜ、これほど多くのお年寄りの命が奪われたのか。防ぐことはできなかったのだろうか。 防府市の雨量は1時間に70・5ミリ、24時間で257ミリという、すさまじいものだった。一般に1時間で20ミリ、降り始めから100ミリを上回ると、土砂災害に警戒が必要とされる。今回の豪雨は、その水準をはるかに超えている。 ライフケア高砂は1999年に開設された。約100人の入所者は、車いすが必要な要介護度3以上の高齢者である。 問題は、この特養ホームが立っている場所だ。防府市郊外の山あいにあり、山口県が昨年3月、土砂災害防止法に基づく「土砂災害警戒区域」に指定した。 特養ホームが開設されたのは警戒区域に指定される以前だが、施設を建てるにふさわしい立地だったかどうか、疑問が残る。 警戒区域内では、高齢者や障害者などが利用する施設には、市町村から災害関連情報が伝達されることになっている。 ところが、当日は県などが数回にわたって土砂災害警戒情報を発していたのに、防府市は特養ホームに伝えていなかった。市の災害対策本部がこの地区に避難勧告を出したのは、被害発生から5時間近くも後だった。 なぜ、情報が伝わらず、対応が遅れたのか、原因を詳しく検証する必要がある。 ただ、警戒情報が円滑に伝達され、避難勧告が早く出ていたとしても、特養ホームの惨事が防げたとは言い切れない。 自力では避難できない100人もの高齢者を豪雨の中、警戒区域外に移すのは困難だったろう。 山口県は周辺に砂防ダムを建設する予定だったが、間に合わなかった。全国には、土砂災害の危険がある老人福祉施設や病院などが約1万3800か所もある。このうち防災工事が進められているのは4300か所に過ぎない。 一段と危険度の高い「特別警戒区域」では、都道府県知事が建物の移転を勧告し、そのための資金支援を行う仕組みがある。 警戒区域でも、特養ホームのような施設には弾力的に適用し、積極的に移転を促すことも検討すべきではないか。 (2009年7月23日01時36分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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