HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 23 Jul 2009 02:18:43 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:09年衆院選 マニフェスト最優先だ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

09年衆院選 マニフェスト最優先だ

2009年7月23日

 総選挙が事実上スタートしたにもかかわらず、自民、民主両党からは政権公約(マニフェスト)が出てこない。メディアによる報道は相次いでいるが、両党は速やかに政権公約を発表すべきだ。

 民主党の政策担当者によれば、同党はすでにマニフェストの内容を固めており、あとは「発表のタイミングを待っている段階」という。自民党が出す前に発表すると、批判材料を提供する形になって不利になるという戦術的思惑があるようだ。

 一方の自民党は少数の党幹部らが公約作りを進めているが「反麻生」で党内が揺れた影響もあって、とりまとめが遅れている。公明党もまだ発表していない。

 結果として、有権者は新聞報道などを通じて各党の考え方を知る以外にない状況になっている。今回の総選挙に対する関心の高さを考えると、これは極めて残念な事態といわざるを得ない。

 幹部らの発言やかつての政権公約をみると、民主党は農家に対する一兆円の戸別所得補償制度や高速道路の無料化、道路特定財源の暫定税率廃止、子ども手当の支給などが挙がっている。前提として「脱官僚」の考え方がある。

 こうした政策の財源として、行政の無駄排除や特別会計に眠る積立金・余剰金など「埋蔵金」の活用、さらに租税特別措置の見直しなど一部増税も実施して、二〇一三年度までに約十七兆円を捻出(ねんしゅつ)するという。消費税については、四年間据え置く方針だ。

 国民の間には、とくに財源について「本当に手当てできるのか」という疑問が強い。民主党は「事業仕分け」という担当者からの公開ヒアリング手法を使って、無駄をあぶり出す考えだが、まずは政権公約を国民に示すことが議論の前提になる。自民党の事情に付き合う必要はない。

 一方、自民党は「反麻生」グループの一部が党とは別建ての政権公約を作る考えを示唆している。これはいただけない。異なる政策を掲げるなら、いっそ離党して国民に選択を委ねるのが筋だ。

 小泉政権以来の改革路線について、党としてどう総括するか。また公務員制度改革に熱心だった「反麻生」グループの主張も公約に盛り込むなら、民主党の脱官僚路線とどう違うのか、はっきり論点を示してほしい。

 ほかにも年金はじめ社会保障、雇用・景気対策、外交・安全保障問題など論点は多い。立場を明示したうえで本格論争を望む。

 

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