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社説2 隣国も迫るミャンマー民主化(7/23)

 東南アジア諸国連合(ASEAN)はタイで開いた外相会議で、ミャンマー軍事政権に民主化運動指導者のアウン・サン・スー・チー氏を含むすべての政治犯の即時釈放を求める共同声明を採択した。

 共同声明はまた、軍事政権が来年に予定している総選挙を「自由、公正、包括的」にするよう促した。ASEANは内政不干渉を原則とするが、ミャンマー問題ではこれまでより踏み込んで注文をつけた形だ。

 政治犯の釈放は、潘基文国連事務総長も7月にミャンマーを訪問した際に軍事政権に要請していた。軍事政権はこのとき前向きの反応を示さなかったが、ASEANのスリン事務局長によればミャンマーのニャン・ウィン外相は「事務総長の提案はなお検討中」と説明したという。

 軍事政権は国連事務総長の要請に応え政治犯を釈放すべきだ。総選挙に関しても、ASEANが示した「自由、公正、包括的」という条件に具体的行動で応えるべきである。

 軍事政権は総選挙の実施を通じて民主化が進展したと内外にアピールしたい考えとみられる。日本政府内にも、総選挙がミャンマーへの経済制裁解除に向けたきっかけになると期待する声があるようだ。

 それだけに、ASEANや日本を含む国際社会は、軍事政権が3条件をどう具体化するのか厳しく注視していく必要がある。政治犯釈放は当然だが、国際的な選挙監視団の派遣も働きかけていくべきだろう。

 ミャンマーをめぐっては最近、懸念すべき情報が相次いでいる。6月に、核関連物質やミサイルを積載した疑いのある北朝鮮の貨物船がミャンマーに向かい、米海軍の追跡を受けて引き返した。また、日本の北朝鮮系商社がミサイル開発に利用できる磁気測定装置をミャンマーに輸出しようとして摘発された。

 タイを訪問中のクリントン米国務長官は21日、タイのアピシット首相との会談で北朝鮮とミャンマーの軍事協力が「地域の安全にとって脅威だ」と指摘した。ミャンマーは周辺国に深刻な軍事的脅威を与えてきたわけではない。核・ミサイル開発を進める北朝鮮との交流の進展で、これまでと異なるレベルの注意をミャンマーに向ける必要も出てきた。

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