
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57585 Content-Type: text/html ETag: "15da0a-15fc-bafb4840" Expires: Mon, 20 Jul 2009 23:21:04 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 20 Jul 2009 23:21:04 GMT Connection: close
![]() 殺人時効廃止 犯罪被害者の声を尊重した(7月20日付・読売社説)事件から25年が経過すれば罪に問われない殺人の公訴時効を廃止する。法務省がこの方針を打ち出したのは、犯罪被害者の声を最大限に尊重した結果であろう。 だが、公訴時効の廃止には問題があるのも事実である。法務省は今後、法制審議会に諮問するが、刑事司法制度の根幹にかかわるだけに、引き続き議論を深めていくことが肝要だ。 法務省は、4月の中間報告で、殺人など最高刑が死刑である罪の公訴時効について、「廃止」「延長」など四つの選択肢を示し、今回の最終報告は「廃止するのが相当である」と結論付けた。 それ以外の罪についても、公訴時効の期間を延長する。時効が進行中の事件にも適用するかどうかは、今後検討するという。 殺人の場合、遺族はもとより社会全体の処罰感情が希薄化することはない。国民は、犯人を処罰して社会秩序を維持することを望んでいる――。法務省は廃止の理由にこうした点を挙げている。 確かに、「殺すのはだれでもよかった」という凶悪事件が相次ぎ、犯人への処罰感情が高まっている側面はあるだろう。時効についても、「逃げ得を許すもの」ととらえる人は少なくあるまい。 再審開始が決まった足利事件では、菅家利和さんの無罪が確定した後、仮に真犯人が分かっても立件できない。既に時効が成立しているためだ。時効がなくなれば、こうした事態は生じなくなる。 一方で、事件から時間が経過するに従い、捜査当局は物証や目撃証言などを得にくくなる。 時効の廃止が DNA鑑定の進歩で、長い年月を経ても有力な証拠が得られるようになったとされるが、一つの証拠に過度に依存するのは禁物だ。それが足利事件の教訓である。 時効がなくなると、警察は永続的に捜査を続けることになる。その結果、新たな事件に振り向ける捜査員が減少しては、治安の維持にも悪影響が出るだろう。 殺人に時効のない米国や英国、時効を停止・中断する制度があるドイツやフランスの状況を詳しく分析することも欠かせまい。 法務省は中間報告で、有力な証拠が見つかった事件に限り、検察が時効の停止や延長を裁判所に請求する制度なども選択肢に挙げた。法制審議会では、こうした案の長所、短所についても、検討を加えたらどうだろうか。 (2009年7月20日01時43分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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