HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57639 Content-Type: text/html ETag: "15e6ce-1618-61b6e500" Expires: Sat, 18 Jul 2009 21:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 18 Jul 2009 21:21:09 GMT Connection: close 中国経済 大型刺激策の効果は出たが : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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中国経済 大型刺激策の効果は出たが(7月19日付・読売社説)

 中国の景気減速にようやく歯止めがかかった。昨年秋以降の大型刺激策が功を奏したためだ。

 しかし、経済成長を支えてきた輸出は依然、低迷しており、中国経済が本格的な回復軌道に乗るかどうかは、内需の動向にかかっていよう。

 中国国家統計局が発表した4〜6月期の国内総生産(GDP)の伸び率は、前年同期比で7・9%を記録した。1〜3月期の6・1%と比べ、2ポイント近い上昇だ。

 2けた成長を続けていた中国経済は、世界同時不況の影響を受けて、昨年10〜12月期に6・8%まで落ち込んだ。だが、今年最初の四半期を挟んで持ち直した。

 中国指導部は、09年の年間成長率を、8%前後とする目標を立てており、その水準に近づいたことで、一息ついたことだろう。

 景気回復の原動力は、都市部を中心にした設備投資や建設投資を合わせた「固定資産投資」の増加だ。道路や鉄道などの工事が一斉に動き出し、今年1〜6月の半年間は、前年同期比で33・6%の伸びとなった。

 4兆元(約55兆円)の刺激策の効果が出たことは明らかだ。

 これに歩調を合わせ、中央銀行は各銀行に対して融資拡大を促した。このため今年5月までの5か月間の新規貸出額は、昨年1年間の金額を上回ったほどだ。

 こうした流れを受けて、株価は急回復し、総合指数は昨年末から75%も上昇した。

 だが、地方では住宅建設ラッシュが起き、不動産ミニバブルの再現を危ぶむ声も出ている。

 今年半年間の輸出が前年同期比で21・8%減と落ち込んでいることも気がかりだ。輸出が伸びなければ、衣類や玩具など輸出型製造業の不振は続き、雇用や治安にも影響する。今後の改善は欧米や日本の景気回復の行方次第だ。

 家電や自動車を中心とした個人消費が好調なのも、自動車取得税の減税や、地方における家電購入の補助金支給などのためだ。こうした支援制度は期間限定で、終了後の売れ行き減が懸念される。

 景気回復の一方で、社会の不安定要因は深刻化している。頻発する労働争議や土地収用を巡る紛争は減る兆しがない。先のウルムチ暴動に象徴される少数民族問題は政権を揺さぶっている。

 10月1日の建国60周年に向け、社会の安定確保のためにも経済成長は不可欠だ。同時にインフレなど、過熱への警戒も必要だろう。中国政府は、経済運営でも難しい(かじ)取りを迫られている。

2009年7月19日01時27分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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