
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57981 Content-Type: text/html ETag: "104c13-15e5-70845a40" Expires: Fri, 17 Jul 2009 22:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 17 Jul 2009 22:21:10 GMT Connection: close
![]() 大雪山遭難 ガイドの行動は適切だったか(7月18日付・読売社説)雪渓や豊富な高山植物がみられ、中高年に人気の登山コースである北海道・大雪山系が、遭難事故の舞台に一変した。 10人の死者が出た大量遭難である。東京都内の旅行会社のツアーなどに参加した59歳から69歳の男女のほか、ガイド1人が犠牲になった。 大雪山系では推定で風速20メートル以上の雨交じりの風が吹き、気温も10度前後まで下がっていた。死因は低体温症とみられている。 8人が死亡したパーティーから生還した人が話した遭難状況によると、同行していた旅行会社のガイドの行動は納得しがたい。 3人のガイドが引率して、一行は強風と雨の中、山小屋を出発した。途中で倒れ込む人がいたにもかかわらず、体力の残っているメンバーだけで進んだ。その後、散り散りになっていったという。 全員の装備や疲労度などを見て最善の行動を選択するのが、ガイドの役目だろう。生還者の証言通りとすれば、ガイドが参加者を死に追いやったようなものだ。 北海道警には遭難に至った経緯を徹底的に調べてほしい。3人のガイドの経験や能力は、十分だったのか。なぜ、誰も途中で無謀な行動を制止しなかったのか。 登山客を死亡させたとして、ガイドや添乗員が業務上過失致死罪に問われたこともある。山岳遭難でも刑事責任の有無を追及するのは当然だろう。 旅行会社では「日程に無理はなく、不運が重なったとしか考えられない」と説明するが、「不運」では済まされない。 利益優先で、ツアー客の安全は二の次になっていなかったか。現地のガイドに決行や撤収の判断を任せきっていたのか。道警にはこの点も調べてもらいたい。 中高年の間では登山ブームである。それに伴い遭難事故も増えている。昨年の山岳遭難の死者と行方不明者は281人で、統計のある1961年以降で最悪を記録したが、その9割は40歳以上だ。 山の天候は急変する。道に迷ったり落石や落雷、滑落の恐れもある。周到な準備もないまま入山するのは、あまりに危険だ。 集団登山の場合でも、天候や体力に不安を感じたら山小屋にとどまったり、下山する別グループと行動を共にしたりするなど、それぞれの判断も必要だろう。 山岳ガイドには日本山岳ガイド協会の認定制度があるが、統一的な資格制度はない。信頼できるガイドをいかに選ぶか。その重要さも今回の遭難は教えている。 (2009年7月18日01時39分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
![]() ![]() ![]() |
![]() |
今週のPICK UPPR
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() |
▲この画面の上へ |
会社案内|
サイトポリシー|
個人情報|
著作権|
リンクポリシー|
お問い合わせ| YOMIURI ONLINE広告ガイド| 新聞広告ガイド| 気流・時事川柳(東京本社版)への投稿| 見出し、記事、写真の無断転載を禁じます Copyright © The Yomiuri Shimbun. |