HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 16 Jul 2009 22:18:55 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:シリウスは、冬の星座「おおいぬ座」の首星で、「犬の星」とも…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年7月16日

 シリウスは、冬の星座「おおいぬ座」の首星で、「犬の星」とも呼ばれる。最も明るい恒星とはいえ、ギリシャ語で「焼き焦がすもの」の意とは、いささか大げさな気もする▼夏は逆に明るい時間帯に昇る。この星が太陽と同じようなタイミングで昇る時期を英語では「ドッグ・デイズ」と呼んで、猛暑の候を意味する。空に“熱源”が二つもあるから暑いのだと、古く信じられていたらしい▼天文の専門家にたずねると、日本の中央部で、シリウスが太陽とほぼ同時刻に昇るのは今月末ごろ。きょうでも、差は一時間ほど。英語辞書には「七月三日から八月十一日の間」ともあるし、既に“犬の日々”に入っているということだろう▼話は変わるが、テルミドールという料理をご存じだろうか。ロブスターなどの身を調理して殻に詰めグラタン風に仕上げたもの。本来は一七九二年九月の共和制宣言の日を元年一月一日とするフランス革命暦十一月の名称だ▼この料理が初めて出された月の名にちなみ、かのナポレオンが命名したのだそうだが、テルミドールの語源も、やはりギリシャ語で「熱+贈り物」。だから、日本語の訳は「熱月」だ。今の暦だと、この十九日から八月十七日まで▼既に各地で猛暑日も記録しているが、これから暑さは一層厳しくなる。なにしろ「ドッグ・デイズ」かつ「熱月」が待っているのだから。

 

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