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新生GM 国有化からどう脱却するか(7月16日付・読売社説)

 経営破綻(はたん)した米ゼネラル・モーターズ(GM)が、国有の新生GMとして再出発した。早期の再建を目指すが、前途は多難だろう。

 6月に連邦破産法11章の適用を申請したGMの再建計画が、裁判所に認められた。破綻から約40日間というスピード決着だ。

 裁判所の法的手続きが長期化していれば、GMの顧客離れに拍車がかかったことだろう。そうした事態をひとまずは回避できた。

 再建計画のポイントは、旧GMを2分割し、優良資産だけを引き継いでスリム化した新生GMを誕生させたことだ。

 米国内では、主要ブランドをキャデラックなど四つに集約し、工場と従業員も大幅に減らす。販売台数は、世界7位の400万台弱に半減する見通しだ。

 新生GMの株式は、巨額な資金を融資するなどして支援した米国政府が6割を保有する。全米自動車労組(UAW)も約2割を持つ大株主である。

 かつて世界首位だったGMが、事実上、国有化された中堅メーカーとして出直すことになる。

 再建計画では、政府保有株を段階的に売却し、来年中の再上場を目指すとしている。国有化から脱却できるかどうかは、収益力の回復にかかっている。

 最大の課題は、魅力ある車づくりだ。出遅れた低燃費のエコカーや小型車開発でどう巻き返すか。中国などの新興市場の開拓もカギを握る。インターネットを使っての販売を導入する北米市場のテコ入れも急務だ。

 だが、販売見通しの甘さが懸念される。北米市場が急回復し、GMの世界販売台数も毎年1〜2割増えると想定しているが、楽観的すぎるのではないか。

 GM支援に力を入れるオバマ政権にとっても正念場だ。

 GM救済に対し、米国民の視線は厳しい。再建が順調に進まなければ、政権への不信感が広がるだろう。関与を強めれば、他の企業との健全な競争を(ゆが)める恐れが一段と高まる。

 一方で、GMの資産売却を機に業界再編も加速しそうだ。スポーツ用多目的車ブランド「ハマー」は中国メーカーが買収する予定だ。子会社の独オペルの買収を巡り、カナダ企業などと、中国の自動車会社が争っている。

 中国やインドのメーカーが存在感を強め、業界の勢力図が塗りかわる可能性がある。激動の時代を迎え、日本の自動車各社も、新たな成長戦略を問われよう。

2009年7月16日01時34分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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