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社説2 党内結束に不安抱える自民(7/15)

 麻生太郎首相が今月21日にも衆院解散―8月30日総選挙投票という日程を決断したにもかかわらず、自民党内で動揺が続いている。東京都議選惨敗の責任をめぐり古賀誠選対委員長が辞任を表明し、中川秀直元幹事長は公然と人心一新を強調した。民主党などが提出した麻生内閣不信任決議案は否決されたが、自民党は解散・総選挙を目前にして党内結束に深刻な不安を抱えている。

 衆院に提出された麻生内閣不信任決議案は与党の圧倒的な反対多数で否決された。「麻生降ろし」がくすぶる自民党内から造反者は出なかった。「野党にくみするわけにはいかない」との理由からだが、麻生内閣を信任した形になった以上、麻生降ろしの大義名分は失われた形だ。

 それでも首相に批判的な議員は14日の総務会で惨敗した都議選をめぐる執行部の責任を厳しく追及した。古賀選対委員長の辞任表明はこの場で飛び出した。東国原英夫宮崎県知事への出馬要請をめぐる混乱の責任も踏まえたものとみられる。代議士会では中川元幹事長が麻生首相の面前で「自民党の人心一新が必要だ」と述べ、自発的退陣を求めた。

 自民党内では低支持率にあえぐ不人気な麻生首相の下で解散・総選挙が行われることへの不安が広がっている。しかし、自民党は国民の審判も経ずにすでに3回も首相を代えている。ここでまた首相を代えるのは筋が通らない。どうしても麻生首相の下で選挙をやりたくないというなら、自民党を離党して堂々と国民の審判を受けるのが筋だろう。

 衆院で信任された首相が衆院を解散するのは奇妙な話だが、参院では野党が提出した麻生首相問責決議案が可決された。これを受けて民主党など野党側は衆参両院で全面的な審議拒否に入った。こうした国会の異常事態を踏まえて麻生首相が来週、衆院解散に踏み切ることになるが、解散に至るプロセスが間延びして緊張感にかける印象になった。

 解散をめぐる与野党の攻防の結果、北朝鮮に出入りする貨物検査をしやすくする特別措置法案や国家公務員法改正案などが廃案になるのは残念である。各党とも総選挙後の特別国会でこうした法案を速やかに成立させるよう努力すべきである。

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