HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 13 Jul 2009 22:19:24 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:丘の上に立つと視界が開け、ものがよく見える。米国の連邦議会…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年7月13日

 丘の上に立つと視界が開け、ものがよく見える。米国の連邦議会(キャピトル・ヒル)が丘の上にあるのは、国家建設の理念を立法府の良識に託した国父たちが将来を見据えられる場所を選定したから、と現地の専属ガイドに教わった▼その「ヒル」を題字に掲げる米紙編集者ら米ジャーナリスト六人が二週間にわたり日本各地を視察した。彼らの目に日本はどう映ったのか。ヒル紙編集者で創刊者でもあるA・アイスリーさんが大手ブログ、ハフィントン・ポストに寄稿した報告がある▼「護送船団方式なる日本特有のシステムがかつてあった。落後者の出ぬよう皆そろって最低速度で進む方式だった。その船団が今や最高速度で沈み始めている」「少子化、人口減、高齢化に見舞われて自慢の終身雇用制度も崩壊に瀕(ひん)している」▼一行は東京、静岡、名古屋、京都を訪問。報告は自民、民主両党の幹部、トヨタ本社視察、同志社大教授ら識者との会見などがベースになっている▼アイスリーさんはモンデール元駐日大使の副大統領時代の側近で訪日は六回目。「米国に比べれば、日本の自動車産業はまだしも健全で米国より回復も早かろう」。やや贔屓(ひいき)目の結論は日本人には救いだ▼未曾有の金融危機にあっても米国社会には思いのほか暗さはない。丘の上からの眺望を語れる指導者を自ら育てた誇りがそうさせるのだろうか。

 

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