中国人の日本への個人旅行が今月から解禁された。第1陣が到着した8日の成田、関西両空港では歓迎のセレモニーが催された。日中交流の新たな一ページだ。
中国人の日本観光は、これまで団体か家族に限られ、添乗員の同行が必要だった。不法就労などを防ぐためだ。とはいえ、2010年に訪日外国人旅行者1千万人を目標に「ビジット・ジャパン・キャンぺーン」を展開するわが国としては、中国からの観光客誘致をさらに進めたい。そこで、個人観光ビザの発給に踏み切ったわけだ。
もっとも全面解禁ではない。年収が約350万円以上といった一定の経済力を持つ富裕層に限定している。いわゆるセレブである。
第1陣として、北京や上海など中国4都市の空港を旅立ったのは計約70人。数字の上ではまだまだかもしれないが、日本側の期待は大きい。買い物やグルメを存分に楽しんでほしい。
人気は東京や関西のようだが、地方も手ぐすね引いている。中国に近い九州、昨年末に公開され大ヒットした中国映画のロケ地・北海道などが特に熱心だ。今後も規制緩和で中国人観光客は増え続けるだろう。
「観光立県」を掲げる岡山県。中国との定期航空路線があり、中国ゆかりの歴史文化遺産も多い。今からアピールしておきたい。