
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57562 Content-Type: text/html ETag: "21a5b7-159f-a8ab5c80" Expires: Wed, 08 Jul 2009 20:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 08 Jul 2009 20:21:09 GMT Connection: close
![]() ウイグル族暴動 強圧的な政策では解決しない(7月9日付・読売社説)新疆ウイグル自治区で起きた流血の暴動は、中国が抱える民族対立が、いかに根深いものであるかを改めて示した。 区都ウルムチ市内で、当局への抗議デモをしていた少数民族のウイグル族が、軍治安部隊と衝突した際、多数派の漢民族を襲い、商店や車両を焼き打ちにした。 その後、漢民族が報復デモに乗り出すなどエスカレートし、暴動は他の地域へも波及する勢いを見せている。 胡錦濤国家主席が8日、主要国首脳会議(サミット)の開催を待たずに、滞在先のイタリアから急きょ帰国したのも、党・政府の最高指導者として、事態を重く受け止めたからだろう。 発端は6月末、広東省のおもちゃ工場でのウイグル族と漢民族の出稼ぎ労働者同士による衝突だった。事件の真相究明を求めて、ウルムチで数千人規模のウイグル族がデモに参加した。 公式発表だけで、死者は156人、負傷者は1000人以上に上る。漢民族、ウイグル族の別は不明だ。死者数は昨年の大規模チベット騒乱での約20人の8倍近くに達する。軍治安当局の過剰警備がなかったのかどうか。 イスラム教徒であるウイグル族が多く住む新疆では、1990年代初めの旧ソ連崩壊以降、分離独立の動きが目立ち始めた。 しかし、2001年の米同時テロをきっかけに、米国や国連は、新疆内で活動する一部の過激派イスラム組織をテロ集団に認定した。中国当局は、テロ対策を大義名分として、徹底的な過激派の取り締まり作戦を展開した。 中国の少数民族対策は、非漢民族が多く住む辺境地域を経済開発する一方で、沿海部から多数の漢民族を移住させるものだ。 これに対し、新疆のウイグル族は、石油や天然ガスなど豊かな天然資源の開発による経済的な恩恵が、漢民族に優先配分されている、と批判していた。 職場や学校での民族差別や、独自の言語、文化、宗教への軽視に対する長年の不満がうっ積していた。加えて、イスラム教徒への弾圧も目立った。 今回の暴動は、生活水準を向上させれば、少数民族の反発は少なくなるという党指導部の考えには限界があることを示している。 今秋、建国60周年を迎える胡錦濤指導部は、国内の安定確保に神経をとがらせている。チベット問題に続き、強圧的な少数民族政策の見直しが迫られよう。 (2009年7月9日01時58分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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