HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57351 Content-Type: text/html ETag: "15e5df-157f-9b847280" Expires: Wed, 08 Jul 2009 02:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 08 Jul 2009 02:21:05 GMT Connection: close 「北」貨物検査法 与野党の協調で今国会成立を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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「北」貨物検査法 与野党の協調で今国会成立を(7月8日付・読売社説)

 北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査を可能にする特別措置法案が、衆院に提出された。

 貨物検査は、国連安全保障理事会の制裁決議に基づく措置だ。決議採択を主導した日本が、根拠法がないために貨物検査を実施できない、では済まされまい。今国会中に成立させる必要がある。

 政府が提出した法案は、北朝鮮の船舶が、制裁決議の定める禁輸品を積んでいないかどうか検査する権限を、海上保安庁と税関に付与した。

 禁輸品が見つかった時は、押収できる。公海上での検査に船長が同意しない場合は、海保が、日本の港に向かうよう命令できるとしている。

 いずれも、制裁決議がすべての国連加盟国に実施を求めている措置だが、日本の現行法では対処できない。

 焦点だった自衛隊の関与について、海保だけでは対応が困難な場合に限り、自衛隊法の海上警備行動を発令して、海自艦船を派遣できるようにした。

 北朝鮮の船舶が重武装しているケースも想定しておかねばならない。海自を活用できるようにしておくのは当然のことだ。

 最近、武器運搬の疑いがある北朝鮮の貨物船が、米海軍艦船による追尾行動の結果、どこの港にも立ち寄らずに北朝鮮に戻った。

 貨物船の目的地とみられたミャンマーに対し、中国や日本なども外交的な働きかけを行ったとされる。制裁決議が効果を発揮した最初のケースといえよう。

 だが、今後、北朝鮮の船舶が実力で追尾を振り切ろうとすることも予想される。米海軍との緊密な連携が必要になる。その時は海自の方がスムーズにいくだろう。

 民主党は、法案への対応をまだ決めていない。

 海自でなく海保が検査の主体となることから、賛成すべきだとする意見がある一方で、旧社会党系の議員を中心に、海自の活用に慎重な意見も根強い。

 だが、現行の制度でも、領海内の犯罪の取り締まりの際、海保だけで対応できないような場合は、海自を派遣できる。法案はこれを援用したに過ぎない。

 北朝鮮は先週、弾道ミサイルを日本海に7発発射した。制裁決議を完全に無視した行動だ。北朝鮮の行動がエスカレートし、緊張が一層高まることも想定しておく必要がある。

 与野党は、法案審議を急ぎ、今国会で成立を図るべきだ。

2009年7月8日02時03分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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