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社説2 対北制裁へ日本は主導力を(7/7)

 北朝鮮が先週末、日本海に向けて7発の弾道ミサイルを発射した。日本が射程に入る新型ミサイルを発射した可能性もあるという。日本の安全保障にとって大きな脅威である。

 北朝鮮の弾道ミサイル連射は、7月4日の米国の独立記念日に合わせた挑発行為との見方が有力だ。北朝鮮は3年前の2006年7月にも米独立記念日をにらみ、ミサイルを発射した前科がある。蛮行をいつまでも繰り返させてはならない。

 今回の行為は弾道ミサイル計画に関するすべての活動停止を求めた国連安全保障理事会決議への明白な違反だ。しかも韓国政府によると、北朝鮮が発射した7発のうち一部は短距離「スカッド」を改良し、射程を延ばした新型だった可能性がある。中距離弾道ミサイル「ノドン」が発射されたとの情報もある。

 首都圏を含めた日本が射程に入る短・中距離ミサイルは、米国を標的にした長距離弾道ミサイル「テポドン2号」よりも、日本にとっての脅威は大きい。日本政府が北朝鮮に厳重抗議したのは当然だが、日本は制裁の徹底と圧力強化に向けて国際社会を主導していく必要がある。

 北朝鮮による2度目の核実験強行を非難して採択した安保理決議は、船舶の貨物検査、金融制裁などの制裁措置を打ち出した。武器を搭載している疑いがあるとして、米軍が追跡した北朝鮮の船舶が進路を転換するなど、すでに制裁が機能している面もあるが、国際社会の結束した一層の包囲網作りが欠かせない。

 主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)では北朝鮮問題も議題に上る見通しだが、朝鮮半島から距離的に遠い欧州諸国の関心は総じて薄い。日本が主導して実効性ある制裁を各国に呼びかけるべきだ。サミットに合わせて現地入りする中国やロシアの首脳に具体的な制裁への協力を求めることも重要な役割である。

 日本国内でも、大量破壊兵器に転用可能な機械をミャンマー経由で北朝鮮に不正輸出しようとした貿易会社社長らが逮捕された。ミサイルや核兵器開発につながる関連物資の不正輸出を阻止する一層の取り組みが求められる。北朝鮮に出入りする船舶への貨物検査を実施する特別措置法も早期成立を目指すべきだ。

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