HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 57746 Content-Type: text/html ETag: "15e597-15b5-25eb6ec0" Expires: Sun, 05 Jul 2009 03:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 05 Jul 2009 03:21:05 GMT Connection: close ミサイル発射 北朝鮮包囲網を強化せよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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ミサイル発射 北朝鮮包囲網を強化せよ(7月5日付・読売社説)

 国際社会の警告を無視し、北東アジアの平和と安全を脅かす挑発行為である。看過することはできない。

 北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイル7発を発射した。射程400〜500キロの短距離弾道ミサイル「スカッド」の可能性が高いと見られる。

 4日の米国の独立記念日を前にあえて米国との対決姿勢を強調したものだ。今後、さらに弾道ミサイルを発射し、地域の緊張を一段と高める恐れもある。

 北朝鮮は5月の核実験後、地対艦短距離ミサイル計10発を数回に分けて発射している。

 今回発射したのは、より射程の長い弾道ミサイルだ。「弾道ミサイル計画に関連するすべての活動の停止」を要求する6月12日採択の国連安全保障理事会決議1874などに明確に違反している。

 河村官房長官が直ちに、北朝鮮に「厳重に抗議」する声明を発表したのは、当然である。

 8日には、イタリア中部ラクイラで主要8か国(G8)首脳会議が開幕する。G8首脳が、北朝鮮の核・ミサイル開発を容認しないという明確なメッセージを出すことが大切だ。

 さらに麻生首相は、オバマ米大統領、メドベージェフ露大統領、胡錦濤中国国家主席らとの個別会談を通じて、対北朝鮮包囲網を強化する必要がある。

 当面、重視すべきは、安保理決議1874に基づく制裁措置を着実に実施することだ。制裁は、武器輸出禁止、貨物検査、金融制裁の3本柱で構成される。

 弾道ミサイルや関連技術を含む武器輸出は、北朝鮮にとって有力な外貨獲得手段である。

 最近、武器を運搬している疑いがある北朝鮮の貨物船を米海軍艦船が追跡し、貨物船は航路変更を余儀なくされた。こうした手法や北朝鮮関連の金融資産の凍結などを通じて、北朝鮮に実効性のある圧力をかけることが重要だ。

 日本政府は近く、海上保安庁が主体となり、北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査を実施するための特別措置法案を国会に提出する。日本が包囲網の一翼を担えるよう早期成立を図るべきだ。

 先月末、長距離弾道ミサイル開発に必要とされる磁気測定装置をミャンマーに不正輸出しようとした北朝鮮系商社社長が外国為替・貿易法違反容疑で逮捕された。

 北朝鮮のミサイル開発には日本の技術がかなり利用されてきたとされる。不正な技術移転は一層厳しく取り締まることが必要だ。

2009年7月5日01時55分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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