HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 04 Jul 2009 22:19:29 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:鳩山代表 決戦前に疑念を晴らせ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

鳩山代表 決戦前に疑念を晴らせ

2009年7月4日

 説明を聞いても、故人の氏名を使ってまで個人献金を増やした理由がよく分からない。鳩山由紀夫・民主党代表の虚偽献金問題だ。政権交代を訴えての総選挙が間近に迫る。疑念は晴らすべきだ。

 鳩山氏は自身の資金管理団体が政治資金収支報告書に虚偽の記載をしていたとして訂正した。

 鳩山氏側の調査では、二〇〇八年までの四年間で約九十人の百九十三件、計二千百七十七万円分の個人献金が虚偽記載だったことが分かったという。

 死亡している人や、献金したことがない人の名前が個人献金者として報告書に掲載されていた。

 鳩山氏の説明によると、経理を担当していた公設秘書が鳩山氏から預かっていた鳩山氏個人の金を個人献金として記載した。

 理由は、秘書が個人献金を集める仕事を怠っており、少なくてまずいと思ったからという。

 名前を使われた人や関係者が報告書を見れば虚偽記載は一目瞭然(りょうぜん)だし、場合によっては政治資金規正法違反に問われかねない。その軽率さにあきれるし、鳩山氏の説明は納得できるものではない。

 「個人献金が少なかった」という理由もふに落ちない。個人献金で五万円未満は匿名の「その他の寄付」として扱われるが、鳩山氏の団体は〇七年までの三年間に一億円以上にのぼる。他の団体と比べても相当な額を集めている。

 二十年来務めてきた秘書が勝手に行ったことであり、鳩山氏自身は知らなかった、との説明も釈然としない。秘書に任せきりだったという鳩山氏も責任は免れない。

 この問題に民主党は及び腰だ。岡田克也幹事長は「説明責任は果たされた」と理解を求めたが、国民は納得しているのか。

 民主党は西松建設の献金事件などを教訓に、企業団体献金を廃止して個人献金中心に切り替える方針を打ち出している。

 総選挙で政治資金改革を訴えるなら、選挙戦で先頭に立つ鳩山氏は虚偽献金問題の疑問に対して明確に答えておくべきだ。

 与党は鳩山氏の国会への参考人招致を要求している。攻勢に出たいようだが、自民党も二階俊博経済産業相や与謝野馨財務相がそれぞれの不透明な企業献金について説明責任を果たさなくてはならない。

 次々と出てくる政治家の金銭スキャンダルに国民は政治不信を募らせるばかりだ。政治資金問題に不誠実な政治家や政党は不信の反動を受けないか。

 

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