HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 03 Jul 2009 22:19:05 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:都議選告示 政権選択占う首都決戦:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

都議選告示 政権選択占う首都決戦

2009年7月3日

 東京都議選はきょう告示され、選挙戦に入る。地方議会選挙ではあるが、結果が次の総選挙に影響を与えるのは必至だ。政権選択を占う首都決戦であり、有権者は貴重な一票を投じることになる。

 今回の都議選では、新銀行東京の経営問題や築地市場(中央区)移転問題など、都の政策がそのまま選挙の争点になるようだ。

 都の出資で設立した新銀行は累積赤字が膨らみ続け、都は追加出資して再建を目指している。築地市場は江東区豊洲の移転先で土壌汚染が判明した。

 都民の税金がつぎ込まれた銀行をどう立て直すのか、撤退すべきなのか。築地市場移転問題では食の安全をどう保証するのか。

 二〇一六年夏季五輪の東京招致の是非も、都民の関心は高い。都政の諸課題を政党や候補者が論じ合い、有権者が投票の判断材料とするのは都議選として当然だ。

 しかし、今回は都政の審判にとどまらない。その結果が国政を直撃し、総選挙への影響は必至だからだ。地方議会選挙なのに全国から注目されるゆえんでもある。

 これまでも都議選は国政選挙の先行指標になってきた。一九八九年の社会党の躍進、九七年の共産党の議席倍増、二〇〇一年は小泉旋風による自民党の大量得票と、国政選挙の流れを先取りした。

 この都議選での政党の消長は総選挙の行方を占い、麻生首相の政権運営も左右する。

 都議会の定数は一二七。第一党の自民は、二十三人を擁立する公明と合わせて、過半数の六十四を勝敗ラインとみているようだ。

 かなり低めの数字だが、それだけ厳しいとみているのだろう。麻生首相が島部を除き、自民公認の立候補予定者の事務所すべてを訪れる力の入れようをみても、これまでにない危機感が伝わる。

 自公で勝利といえる結果なら、都議選の勢いを駆って麻生首相が解散に踏み切る可能性がある。

 民主は自民と同数の五十八人を公認した。小沢前代表と鳩山代表の政治資金問題が影を落とすが、現有の三十四から比較第一党にまで議席を増やせば、政権交代の弾みとなる。

 民主とともに共産や地域政党の生活者ネットワークなども伸び、自公で半数を割り込むなら「麻生おろし」の風は強まるだろう。

 麻生政権の命運は都議選に委ねられたといっても過言ではない。そんな重要な選挙を都民以外は見守るだけだ。棄権をなくし、高い投票率で民意を示してほしい。

 

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