HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 02 Jul 2009 01:19:35 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:時は幕末、万延元年というから一八六〇年のこと。修好通商条約…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年7月2日

 時は幕末、万延元年というから一八六〇年のこと。修好通商条約の批准書交換のため、幕府の遣米使節が海を渡った▼ワシントンでのブキャナン大統領との会見後、一行は帰路、ニューヨークに立ち寄る。馬車でマンハッタンのブロードウェーを“行進”したようだが、ちょんまげに二本差しのサムライたちは、ここでも熱狂的な歓迎を受けたらしい▼米国の著名詩人ホイットマンも沿道で見ていたのだろう。その様子を『使命を帯びた人たち』の題で詩にし、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された。こんな書き出しである。<海を越えて ニフォンからここへとやってきた…>。斎藤緑雨風に書けば「ニフォンとは俺(おれ)のことかと日本言い」だが、表記はNiphonとなっている▼さて、日本は「にほん」か「にっぽん」か。広辞苑によれば、奈良時代以降、両方の音読がされてきたらしい。手元の英語辞書にも、Japanに加え、Nihon(ニホン)、Nippon(ニッポン)の両方が載る▼どちらかという場合、間をとるのがわが国の常だが、さすがに「にふぉん(Niphon)」というわけにもいかぬ。民主党議員の「統一の意向は」との質問書に、政府は「にほん」でも「にっぽん」でもよく、統一の必要なしとする答弁書を閣議決定した▼賛成だ。「どちらか」より「どちらでもいい」の方が優雅である。

 

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