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社説2 虚偽献金で鳩山氏の責任重い(7/1)

 「政治とカネ」をめぐる不祥事はもううんざりだというのが、国民の率直な感想ではないか。

 民主党の鳩山由紀夫代表が記者会見し、同氏の資金管理団体の収支報告書に事実と異なる個人献金の記載が多数あった事実を公表して陳謝した。「架空」とみられる献金は2005年からの4年間で2100万円を超える。法の趣旨をないがしろにする行為で、このままでは有権者の政治不信は募るばかりだ。

 鳩山氏の弁護士が調査報告書を公表し、資金管理団体「友愛政経懇話会」の報告書に記載された個人献金のうち、判明分だけで約90人、193件が事実ではなかったことを明らかにした。亡くなった人や一度も寄付をしたことがない人の名前も使い、個人献金を装っていたという。

 実務を担当した秘書は「個人に寄付をお願いすべきものを怠り、事実でない記載を繰り返してしまった」と説明しているという。存在しなかった「寄付」の原資は、鳩山氏から預かったお金の中から拠出していたというのが弁護士の調査結果だ。

 鳩山氏本人は記者会見で「全く知らなかった。一秘書のやったことだが監督責任はある」と語った。すでに修正報告をし、秘書を解雇する意思も示した。

 しかし政治資金報告書の虚偽記載は故意でなくても重大な過失があれば「3年以下の禁固または50万円以下の罰金」の罪に問われる。長期間にわたって事実と異なる記載を放置してきた鳩山氏の責任は重い。なぜ秘書がこのようなことをしたのかを含め、鳩山氏の説明は不十分だ。

 民主党の小沢一郎前代表は公設秘書が西松建設からの巨額献金事件で起訴され、代表を辞任した。同党は3年後の企業・団体による献金やパーティー券購入の禁止を柱とした政治資金規正法改正案を国会に提出したものの、鳩山氏のような問題を抱えていては説得力を欠く。

 政界では「政治とカネ」をめぐる問題が次々と表面化している。与謝野馨財務・金融・経済財政相の政治団体は、商品先物取引会社から迂回(うかい)献金を受けていた疑惑が浮上した。与野党は次期衆院選前に政治資金の透明化策を示し、不信の連鎖を断ち切る努力がいる。

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