HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 01 Jul 2009 01:19:36 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:例えばの話だが、未婚の男性に「奥さん」とは、それはそれはお…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2009年7月1日

 例えばの話だが、未婚の男性に「奥さん」とは、それはそれはおっかないものなのだよ、と言ったって本気にしない▼現時点で、はっきり見えていないものを本気で恐れ、本気で備えるというのは、なかなか難しいものだ。人は願っているように信じる。警告は脅し文句に聞こえ、実際はそうはなるまいと、心中でたかをくくりがちである▼新型インフルエンザでも同じなのだろう。少し前、三菱総研が約千人を対象に意識調査を行ったところ、約九割が流行の第二波が来ると予想しながら、半数以上は、事前対策をするつもりはないと答えたのだという▼北半球では感染拡大も一段落の感がある上、第一波への対応が過剰だったとの評価も広がった。わが身を省みても、それも与(あずか)って“緩み”が生まれている気がせぬでもない。しかし、秋以降にも予想される第二波、第三波こそ怖いらしい▼中でも最悪なのは、ウイルスが強毒化して致死性を増す「変異」を起こすこと。いやな辻占(つじうら)だが、世界保健機関(WHO)は、新型の治療に最も有効な抗ウイルス薬タミフルが効かない「変異」ウイルスが北欧で確認されたと…。ここらで少し気を引き締め直すべきかもしれない▼簡単ではないが、今、はっきり見えていない問題に本気で備えるには想像力を駆使するほかない。自然災害でも地球温暖化でも、恐らくは、結婚でも。

 

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